Mashup Awardsのプロが選ぶヒーロー賞のイベントレポート、本記事は学生ヒーローです。
Mashup Awardsには毎年「これを本当に学生が作ったの…?」と思わず聞いてしまうような、そんなクオリティの高い作品が集まります。そんな作品の中からMA2018を代表する学生による作品を決めるプロが選ぶヒーロー賞です。選考基準は以下。
・チャレンジ度 (ぶっ飛び度、変化球、独創性、アイデア)
・ギーク度 ( 突き抜け度、こだわり度、完成度)
・ワクワク感 ( 表現手法、体験、デザイン)
今年も学生の方々の好きなことだったり、研究成果だったりが作り上げた作品のうち、11作品が選抜されて集まりました。
- ①【マリオ風リアルはてなボックス】プログラミング素人高校生の挑戦
- ②喋ボテン
- ③Hapbeat
- ④COLOR BLASTER
- ⑤自分ごと化フィルタ
- ⑥DORMIR 〜 寝落ち検出デバイス 〜
- ⑦Magic Box
- ⑧にぎるくん
- ⑨Home Hack
- ⑩イメスコ(Image Scoring Bot)
- ⑪Eterm – Best Terminal for Education
それでは、これらの作品を紹介していきましょう。
学生ヒーロー
Hapbeat
ネックレス型のウェアラブルデバイス。音声出力の波形を基にした振動をすることで、付けている人にスマホやゲームコントローラのようなバイブレーションでは体験できないレベルのリアルな振動を表現します。
筆者も思わずBOOTHでの発売後に購入してしまいました。デモではFPSでダメージを受けたあとの心臓の鼓動表現をやっていたのですが、胸辺りに来る振動が凄くリアルで感動していました。学生ヒーロー、おめでとうございます!
審査員
今回の学生ヒーローは、こちらの2名の方に選考いただきました。ありがとうございました。
決勝進出作品
惜しくもヒーローを逃した他の作品も素晴らしいものばかりでした。他のすべての作品も発表順に紹介しましょう。
【マリオ風リアルはてなボックス】プログラミング素人高校生の挑戦
あの叩くとコインやキノコが出てきたりする某ゲームのブロックがリアルに出現。なんと中学生と高校生のチームの作品です。
ただ叩いて音が出る、だけではなく、そこから拡張し、朝子供を起こす親を手助けできるようなLINE Botにアイデアを広げたりしていて素晴らしいと思いました。
喋ボテン
ただ触ると痛い、そんなサボテンですが、サボテンが喋ったらどんな感情があるのだろう、そんなイメージを追いかけた作品です。
サボテンの感情は土の乾燥具合といった状態をセンサで検知して、そこからバイオリズムを生成していました。こう見ているとサボテンもゆるーい植物に見えてきて和みますね。
COLOR BLASTER
銃が指定する色と同じ色のものに照準を当てて撃ち抜くゲームです。
しくみだけではなく、筐体デザインもプロトタイピングを重ねることですっごくスマートになっているのが印象的でした。3Dプリンタで印刷しているらしいですが、ほとんど3Dプリンタ感がなかったのがすごい…
自分ごと化フィルタ
世の中にはいろんな単位が溢れすぎていていざ言われてもよくわからない。そんなときに自分の身近な単位に変換してこれくらい、をそれっぽく伝えるChrome拡張です。
26万円の買い物は今の時給だと220時間…、みたいなちょっとシュールな変換ですが、移動距離の所要時間を変換したり自分の普段やっていることに対してどれくらい、という価値観の変換をサポートできているのはすごい、と思いました。
DORMIR 〜 寝落ち検出デバイス 〜
勉強中の寝落ち対策に。机に突っ伏して寝落ちしてしまったことを検知する下敷き型デバイスです。デモでは寝落ちするとちょっとしたら光って起こしてくれるライトと勉強時間に応じて光るペン立てを周辺機器として用意していました。
寝落ち対策というと極端に言えば椅子に縛り付ける・エナジードリンク漬けみたいな意地でも寝ない・寝させない話が多いですが優しさを感じるソリューションでした。一旦寝落ちしたっていいじゃない。だって眠いんだし。
Magic Box
センサを中に入れた光って音がなるインタラクティブな子供向けIoTブロックです。デモでは2つのブロックを組み合わせて寿司を作るゲームを披露していました。
親機となるRaspberry Piと、子機のArduinoが入ったブロックが連携して色々なことができるしくみ。すごく簡単に遊びやすいなぁと思って見ていました。質問でもSDKの用意ができる?と上がっていたように、誰でも遊びを作れて、シェアできるようになるとすごく発展しそうですね
にぎるくん – IoTハンドグリッパー –
握力を鍛えるアレことハンドグリッパーのデジタル化、各指に仕込んだ圧力センサで握った重さを検知して、毎日の握力トレーニングをサポートしてくれるデバイスです。
実際に握った際の精度も高く、ちょっと緩めてすぐ握り直す、みたいなズルも通用しないように作られていました。アプリ側はFlutterでBLEを扱うことでマルチプラットフォームを実現していてすごく選んでいる技術が今風でした。
Home Hack
ホームIoTの要である「室内の状態はどうなっている」「室内の家電を操作する」ことを実現するIoTシステムです。いろんなサービスとデバイスを連携し、集約して普段の暮らしを便利にします。
おうちハック、ホームIoTといった分野はいろんなものが結びつく・結び付けられる可能性があって、それを便利に結び付けられる可能性が見えるプロダクトでした。「MS Officeのカイルくんみたいなのを作ってみたい」ということでVUI的要素も実装されていて実際にスマートスピーカー的運用もできるそうです。
イメスコ(Image Scoring Bot)
撮った写真、どうせSNSに上げるならいいねがほしい。そのために必要な「美しい」写真とは一体何なのか。それを人工知能を使った画像加工でサジェストしてくれるLINE Botです。
デモでは風景を対象にしていましたが、学習セット次第で料理とかにも応用ができるそう。のっぺり気味な写真も加工次第ですごく映えることがある(ただし知識が必要)ので、こういう加工のサジェストをしてくれるのは嬉しいですね。
Eterm – Best Terminal for Education
ls、cd、mv、mkdir…。エンジニア・情報系学生なら誰もが触るであろう真っ黒い画面ことCUI。でも最初はよく使い方がわからない。そんなCUI初心者をScratchをモチーフにしたサジェストでサポートしてくれるターミナルです。
JPHacksで開発された作品でした。ブロックをつなげていく際の見た目がサジェストからすごく丁寧で初めてCUI触るときにコレがあったら良かったなぁ…!ってなりました。
以上が学生ヒーローの審査会で発表された全11作品でした。
現場の様子
発表が終わると、懇親会とタッチアンドトライが開催され、皆さんお互いの作品を触り合いながら個人賞をお渡ししていて、とても良い時間が流れていました。
最後に、集合写真を撮って終了です。皆さん、本当にお疲れ様でした!
イベントの様子は、以下からも見ることができます、ぜひご覧ください。
Flickr -> https://flic.kr/s/aHsmskEtcj
Togetter -> https://togetter.com/li/1291635
蛇足
ほんとに学生なのか…?と思わされるクオリティの高さで終始圧倒されていました。自分が学生の頃と比べると、3Dプリンタや開発環境といった学生が使える技術・設備もどんどん新しく・グレードアップもしていて、学生のうちにモノづくりを一人でも・チームでも体験できるのは本当に貴重な経験だなと思いました。もう一回学生ができるならこういう活動に全力を注いでみたい…。
by e10dokup
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