作ってきたものを発表するだけのコンテストではなく、ハッカソン風に一つの会場に集って開発し、技術サポートなどもうけながらのコンテスト
福岡市の主催で開催された「福岡市防災減災アプリコンテスト」に協賛し、運営のお手伝いをしてきました。
今回のコンテストのテーマは「避難者支援アプリ」。
作ってきたものを発表するだけのコンテストではなく、ハッカソン風に一つの会場に集って開発し、技術サポートなどもうけながらのコンテストとなりました。
いつものMashupAwardsのハッカソンと大きく違うのは、多くの開発要件があること。今回のコンテストで求められた要件はこちら。
【1】以下の情報について,アプリをダウンロードした誰もが情報の入力,発信ができ,また入力された情報が確認できるもの
・避難者の状況や避難している場所,人数
・避難者が必要な物資の種類や数量
・支援者による支援物資の種類や量,配布場所,発送状況
【2】デマ情報の入力を防止する仕組み
(SNS等との連動により個人の特定ができる等)
【3】誰でも見やすく,分かりやすいインターフェイスとすること
最優秀賞は、30万円の賞金をもらえると同時に、福岡市から実用化に向けた支援が得られます。(そしてMashupAwardsの2ndSTAGEにも進出です。)
また、優秀賞、Bousai-Tech賞にも5万円の賞金という太っ腹なコンテスト。
多くの要件を満たし、最優秀賞をゲットした作品とは?
■最優秀賞|優秀賞|Bousai-Tech賞
まずは、コンテストの賞をゲットした作品の紹介から。作品の詳細は各URLを参照ください。
<最優秀賞>
■作品名:ツナガル〜地域情報交流アプリ〜/チーム名:ヘルメットXXL
位置情報とSNSを組み合わせたコミュニケーション基盤
http://hacklog.jp/works/48770
SNSをリビルド。普段はSNSとして利用し、スーパーのタイムセールなども配信。それを災害時に利活用。 コミュニティが指定外避難所になります。ご近所さんが承認しないとコミュニティができない仕組みです。
サービスイメージはこちら↓
【防災減災アプリコンテスト】#ma_2016 #bousai_tech
2チーム目。ヘルメットXXL
災害時のデモ pic.twitter.com/L1pP0RFepY
— MashupAwards@11/21〆切 (@mashupaward) 2016年10月23日
最優秀賞おめでとうとざいます。賞金30万円とMashupAwardsの2ndSTAGE進出決定です。
<優秀賞>
■作品名:HELP! クラウド避難情報報告アプリ/チーム名:HELP! Fukuoka
災害時の避難状況(どこに、どれぐらいの人が避難しているか)の報告や確認するためのウェブアプリ
http://hacklog.jp/works/48778
アプリをひらくと現在地を調べて、スライダーの移動で人数を報告し、地図に可視化します。情報の鮮度を色によって区別。 災害地に指定された場所でないと発信ができない仕組みです。
優秀賞おめでとうございます。
<Bousai-Tech賞>
■作品名:独自SNS状況確認注問全部乗せスマホAPP/チーム名:福岡Swift
災害時には投稿者/場所/写真/コメント欄で避難所などの情報を収集することが可能
http://hacklog.jp/works/48771
物資の予測と実績をグラフで比較することが可能です。
Bousai-Tech賞おめでとうとざいます。
今回の賞は、以下の項目を基準として審査いただきました。
・テーマ適応性 :コンテストテーマを理解し、作品に反映されているか
・使いやすさ :ユーザーに分かりやすく、使い勝手がよいか
・有用性 :利便性があり、目的に応じた高い効果が期待できるか
・汎用性・拡張性 :他の自治体など、広く普及拡大することが期待できるか。機能拡張により日常使いへの広がりが見込めるか
・実現可能性・経済性 :実用化が可能かまた、継続的な運用が可能か
・デザイン性 :目的に合致した分かりやすいデザインを備えているか
・先進性・独創性 :オリジナリティーが高く、新しい発想で発案されているか。新たな発想や創意工夫が凝らされているか。
そして、今回審査いただいた審査員のみなさまです。
右から
・髙島 宗一郎氏/福岡市長
・小寺氏/内閣府 政策統括官付 防災担当 主査
・梅谷 佳明氏/財団法人日本財団 災害復興支援センター熊本本部 センター長
・及川 卓也氏/一般社団法人情報支援レスキュー隊 代表理事 、 Hack for Japan
・柴田 哲史氏/一般社団法人 災害 IT 支援ネットワーク 代表理事
・橋本 正徳氏/株式会社ヌーラボ代表取締役
■作品発表
惜しくも審査員による賞は逃しましたが、他にも素敵な作品がたくさんありましたので発表順にご紹介します。各企業の独断と偏見で決定する「企業賞」を獲得した作品もあります。
■作品名:ExOrder防災+/チーム名:Bluemoon
被災者の現在地が不明でも、支援物資を送ることができるアプリ
http://hacklog.jp/works/48794
ExOrderという通販アプリをベースに、今回のイベントで防災用にカスタマイズ。通販の仕組みを防災に役立てたいと考えたとのこと。
■作品名:避難所ココ/チーム名:オリズン
人が集まった場所を避難所として登録するアプリ
http://hacklog.jp/works/48774
「自ら」自分の位置情報と一緒にいる人数を発信し、一定の範囲に多くの人がいると判断されると、その場所を避難所として登録し、支援者・登録者に通知します。スマホだけでなく、電話でも発信できます。
こちらはTwilio賞をゲットです。
■作品名:COCOにおるばい!/チーム名:CAOブルブル
GIS(地図)を活用した相互に情報が把握できるアプリ
http://hacklog.jp/works/48773
避難状況の集約をし、支援プランから配布ルートまで支援物資の計画機能があります。
■作品名:Bu-Shearing/チーム名:Whiskers
住民が備蓄している物資を被災地にシェアするアプリ
http://hacklog.jp/works/48772
震災前は物資を登録しておきます。震災時はmythingsでメール送信し、DataspierからLINEに転送します。
こちらはアプレッソ賞をゲットです。
■作品名:フクボー/チーム名:TeamGram
災害時に避難した家族を探索、指定外避難所にいる避難者の情報を収集するアプリ
http://hacklog.jp/works/48788
家族の写真でどの避難所にいるのかを検索できます。
こちらは日本マイクロソフト賞をゲットです。
■作品名:被災情報リアルタイムマップ/チーム名:防災ボーイズ
災害発生時、主に指定避難所外に滞在する被災者向けの物資状況共有と物資配送支援
http://hacklog.jp/works/48782
避難された方は何がほしいのかすぐにだせないのが一番大きな課題と考え、自社製品を利用しながら作成。
こちらはアプレット賞をゲットです。
■作品名:HealthChecker/チーム名:ソルネット
「Health_Checker」は避難者の健康を第一に考え、二次災害を未然に防ぐためのアプリ
http://hacklog.jp/works/48783
基本機能は避難者用、管理者用の2つ。サブ機能として健康チェック機能があります。
■作品名:たすけ❤(あい)隊/チーム名:百道社中
日常生活から災害発生時まで、市民生活を強力にサポート
http://hacklog.jp/works/48777
普段から福岡市の情報を提供するアプリを用意して日常的に利用いただき、災害時には災害モードに。 特に注目したのはメンタルのヘルスサポートで、健康状態がアイコンで表示されます。
こちらは、ヤフー賞とIBM賞のW受賞です!
■作品名:Cooper/チーム名:TwoAnswer
被災者同士の助け合いを手伝うアプリ
http://hacklog.jp/works/48786
被災者同士で物資交換ができるようにし、行政の負担を減らします。送る側も幸福感を味わえます。
■作品名:災害支援アプリ/シンイチモトハシ
WEB+LINE+Fb messenger botに対応した 災害支援アプリ
http://hacklog.jp/works/48775
メリットは、LINえやFBなど圧倒的ユーザ数のプラットフォームを入り口にできること。
発表された作品は以上です!
次にイベントの様子をお伝えします。
■イベント風景
まずはアイスブレイクで会場の空気を暖かくします。ハッカソン風なので、交流の要素もいれてみました。
インプット
次は、アイデアの種となるインプットセミナーです。
最初のインプットは松島市長からのビデオレター。今回のコンテスト趣旨についてのインプットです。
熊本地震などでも課題のシェアや、課題先進地域である九州から、防災減災のスタンダードアプリを生み出したい!という市長の想いが語られました。
続いては技術サポートのインプットです。今回は9社のみなさまに技術サポートしていただきました。
1.myThings(ヤフー株式会社)
myThingsは様々な企業が公開しているAPIを、 良くあるユースケースごとにチャンネル(トリガーとアクション)という形に整形して提供。このトリガーとアクションを組み合わせて使うことで、普段日常的に行っていることを自動化できます。
防災関連に関するトリガー(地震情報がでたら、津波警報がでたら、指定の降水量以上だったら…)もご紹介いただきました。
2.DataSpider Servista(株式会社アプレッソ)
DataSpiderはハブ系APIに属するソフトウェアです。各社から提供されるAPIを組み合わせ活用することも、オリジナルのAPIとして利用することもDataSpiderならノンコーディングで実現が可能です。
連携部分の実装を効率化させることでより多くの特徴的なAPIを利用することができます。
3.Autodesk Forge(オートデスク)
Autodesk Forge は、オートデスクがクラウド サービスで使用している様々な要素技術を、API として公開したクラウド プラットフォームです。他社のAPIも含め、Web 開発の手法で自由にマッシュアップすることで、デザインデータを活用するさまざまなサービスを、Web ブラウザをインタフェースにデザイン データに関わるすべてを共有する新しい作業スタイルを構築出来ます。
4.Twilio(KDDIウェブコミュニケーションズ)
Twilioとは、様々な通信チャネルを連携できるコミュニケーションAPIであり、ビデオ、チャット、電話、SMSなどの通信手段をアプリケーションに簡単に埋め込むことが可能です。
福岡市のPM2.5ダイヤルというサービス(電話をかけるとWEB上で公開されているPM2.5の数値を音声で聞けるサービス)もTwilioを利用いただいています。
5.Microsoft Cognitive Service(日本マイクロソフト)
Microsoft Cognitive Serviceは画像や音声の認識、自然言語によるコミュニケーションなどの人間の認知機能モデルをAPI経由で取り入れることができるサービスです。
同じ人かどうかを、画像でリアルタイム認識することもできます。
6.IBM Bluemix(日本アイ・ビー・エム)
IBM Bluemixは、PaaS(Platform as a Service)として最強の開発環境をクラウド上でご提供致します。
Bluemixの特徴としては、開発基盤だけではなく、100を超えるサービス(IBM Watson(AI)、IoT、Storage(DB)、アナリティクス、モバイルなど)と連動されており、より素早く皆さんのアプリケーションを構築&運用することが可能です。
7.Adhoc Communication SDK(NTTドコモ)
Adhoc Communication SDKは、オフライン環境下で、端末間のメッセージング等のデータ通信を容易に実現するためのSDKです。 また、災害時のオフライン下での安否情報のやりとりを想定した安否情報サービスの機能も提供しています。
8.きずな支援ねっとAPI(NTTアドバンステクノロジ)
避難所における避難者受付システムである「きずな支援ねっと」が管理する避難所名簿に、避難者が自身のモバイル端末を使って、自分の情報を任意の場所から登録できるAPI。
9.Pepper(SoftBankRobotics)
Pepperはソフトバンク株式会社が販売する世界初の感情認識パーソナルロボット。ビジュアルプログラミングに対応し、アイディアを直感的かつ簡単に形にすることができます。
全般的な技術メンターとしてサポートいただいたリクルートホールディングスMTLの笠島さん(じぇい)。iOS、Pythonのエンジニアで、新規事業を4年間やってきた経験者です。
アイデアソン
インプット情報をもとに、いろいろとアイデアを考えていきます。
そしてアイデアの交換もし、アドバイスをもらったり、刺激をうけたり。
そして、今回のイベントで作るプロダクトの紹介(アイデア宣言)です。
ハッキングタイム
宣言が終わればあとはモクモクとつくりはじめる…というのがいつものMashupAwardsのハッカソンですが、今回はやはり少し違いますね。ホワイトボードを使って仕様をつめていくチームが多かった印象です。
そしてモクモク。
技術メンターの方に質問もではじめました。
初日の最後は発表者じゃんけんです!
2日目はみんなモクモク真剣です。
成果発表
そして成果発表。髙島市長も審査員としてお越しいただいております。
自分のモニターで発表する人も!
最優秀賞を決める審査中に…まずは企業賞の発表です。
この瞬間が一番盛り上がったとかいないとか?(空気を読まずMashupAwardsノリですいません)
最後は司会者の方にバトンをお渡しし、最優秀賞などの発表のあとは、集合写真でイベント終了です。
こちらをみていただくと、イベントの盛り上がりがより伝わるかと思います!
・つぶやきまとめ http://togetter.com/li/1040042
・イベント写真 https://www.flickr.com/photos/100125183@N08/albums/72157675572099085
みなさまお疲れ様でした!
※後ろにいるAPIサポート企業の人達が一番楽しそうww
蛇足
私の力作(技術サポート各社名)をDataSpiderがつなげてくれました。ハッカソン風なので、すこしぐらい遊び心をいれたいですよね。下手な絵は空気を和ませる力をもちます(`^´) ドヤッ!
そして、今回のイベントの個人的ハイライトはこちら!
審査員のTwitterのつぶやきに、臨機応変に対応する伴野司会の神対応!
一方、台本とは違う動きをする勝手な司会者に福岡市の方々がざわついていたというのは内緒です。
臨機応変対応ができなければ、トラブルがつきもののハッカソン運営はできません。(運営が適当という噂もありますがw)
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