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決勝審査会|マウザーアワード

こだわり満載なロボやディスプレイなどの電子工作13作品〜マウザーアワード〜

2023.09.28

それぞれ特有のエッジが尖りすぎていて、「全部優勝!」という言わせてしまうほど高レベルな決勝

Mouser Make Awards 2023の決勝審査会のブログになります
Mouser Make Awards 2023」とは、マウザー・エレクトロニクスが主催している「モノづくりを楽しむメイカーを応援し、モノづくりの楽しさを多くの人に感じていただく事を目的とした開発コンテスト。
実は決勝に進む作品は10作品の予定でした。ただ、素晴らしい作品が多すぎて急遽13作品になったとのこと。そんな13作品は「全部優勝!」といわれるぐらい、素敵な作品ばかりでしたので、ご紹介したいと思います。
作品の詳細情報はProtoPediaページへのリンクをつけたので、そちらを参照ください。

受賞作品5作品は10月14-15日に行われる「Maker Faire Tokyo 2023」にて展示されるので是非見にいきたい!
他の作品も、いくつかは個人ブースで触れるのでそっちにも行くぞ!

受賞作品

どの作品がなんの受賞をしたのかの発表はまだされていませんが、MFT2023のマウザーブースにて展示される5作品。「Maker Faire Tokyo 2023」では、この5作品で「MFTオーディエンス賞」を競うとのことなので投票しに行くぞ!(参加者にはその場でもらえるプレゼントあるそうです)
※受賞結果は10月15日(日)14時に、MFT2023のマウザーブースにて発表予定

DCモータで磁石を回し、瓶の中の回転子へ動力を伝え渦を発生。渦を発生させるだけでなく光や音楽とも連動、双方向通信も備え同期も可能とのこと。美しい渦を生成するために専用基板まで作られてます!ずっと見ていたくなる。
「人は潜在的に渦を求めている」という気にさせられるプレゼン動画はこちら👉[決勝審査会:40:42]。

メカメカしいディスプレイ。最初は鏡で光の反射を利用して制作。そして次はグレースケール表現を可能にし、現在は色まで表現できるように進化。けれど、ディスプレイとして完成させるには256個の制作が必要。無心になって作業しているときに、次のアイデアが浮かんくるそうです。ディスプレイの動きとしてはマリオのBダッシュが本気モードとのこと。
めちゃかっけーのにサムネイルは手書きの絵。是非、動画で動いている様子みて👉[決勝審査会:2:12:08]。

投影映像だけでなく、音も聞いてほしいというこの作品。モーター音は小さくするなど、機構の音が聞こえやすくするようにも制作。そして、機構の部分を是非見てもらいたい!という思いがあって、そこが見えるようにも制作。焦点距離を短くするためにつかったビー玉は、ラムネの瓶を割ってゲットしたものでした。
機構へのこだわりと音を是非聞いてほしい。プレゼン動画はこちら👉[決勝審査会:1:52:07]。

こだわりは「サイズ」。およそハーフインチサイズで、重さは2.8g。このサイズで通信機能も備わっていて、スマホから操作可能!とにかく小さくするノウハウが詰まっている作品。
この小ささ「だからこそ」の工夫や視点を是非聞いてもらいたい。プレゼン動画はこちら👉[決勝審査会2:22:20]。

180の自作基盤を使って球体を制作。設計図がすごいw。作るのホント大変そう…。モノだけでもすごいのに、LEDの光を制御できるソフトも作ってる。必要性は度外視で、花火があがったり、じゃんけんできたり、時計表示できたり、可能性は無限大?デス・スターのようにビームを出すことを期待。
プレゼン動画はこちら👉[決勝審査会58:08]。

以上が、「発表作品すべて優勝!」と言われた13作品の中から、悩みながら審査員が選んだ5作品です。MFT2023で是非実物を見に来てください!

企業賞(マウザー賞、ProtoPedia賞)

次は企業の独断と偏見で選ばれた3作品の紹介です。

エラーの原因が充電専用ケーブルというメイカーあるあるな「ツラミ」を、ゲームの「面白さ」に消化させたこの作品。審査員や参加者からは共感の嵐でしたが、展示会では子供に不評だったそうw。あなたはこの「ツラミ」分かる人ですか?
※「アイデアが大好きでした」ということでマウザー賞に選ばれました
プレゼン動画はこちら👉[決勝審査会21:35]

自転車の空気ポンプを使ったゲームですが、空気圧ではなく距離センサーで制御。誰でも遊べる(親しみやすい、壊れない)ことがこだわりとのこと。展示でいろんな方に使ってもらいながら、遊んでも壊れないゲームに進化しています。遊んでもらっていると、自分の想定外の楽しみ方を生み出す子どももいるらしく、使ってもらう楽しさも、モノづくりの楽しさの一つだな、と改めて感じた作品でした。
※「是非マウザーのイベント向けにカスタマイズしてほしい!と思いました」ということでマウザー賞に選ばれました
プレゼン動画はこちら👉[決勝審査会2:02:45]。

そちら側の人(MFTに出展できる人)にはオーラがある。自分もそちら側の人間になるために、オーラを背負えるものを作ってみた。調べたら結構たくさんあったので、「メカ機構の展開の速さ」にこだわって差別化をだしたとのこと。LEDバーの残像を利用してオーラ化。
※「モノづくりの楽しさが一番表現されていた作品」ということでProtoPedia賞に選ばれました。
プレゼン動画はこちら👉[決勝審査会1:41:50]。

ファイナリスト作品

最後は、今回の決勝に選出された全作品の紹介です。

審査員に「プロの仕業」といわれるほどのすごい作品。6軸のパラレルリンク機構を採用した3Dプリンタで、ノズルを傾斜、回転できます。普通の3Dプリンタで必要なサポート材もなくプリント可能です。
実際にプリントしているプレゼン動画を是非見て👉[決勝審査会1:18:19]

コイン識別は、「コインセレクター」を購入すると自動サンプリング機能があるとのこと。そこに食いつく審査員と参加者w。また、1階層2円の根拠は、レシート原価と購入の際の楽しさの塩梅を狙ったそうです。「見てみたい」というよりは、「楽しさを体験してみたい」作品で、他の作品とは少し毛色が違う、奥深さを感じる「メディアアート作品」でした。
プレゼン動画はこちら👉[決勝審査会30:50] ※MFT2023展示あり

自然な指の動きは、形状記憶合金ワイヤーを使っているからとのこと。ほんとに滑らかに動きます。その他、メンテナンスしやすい設計や、かっこいいデザインなど、随所に拘りを感じます。お財布事情で曲げセンサーを自作したけれど、大人になり、性能を求め、既製品を購入して実装。それもまた完成度というこだわりですよね。
滑らかに動く様子を是非プレゼン動画で見て!👉[決勝審査会2:33:38]

本来、ゲームではキーボードで演奏するんですが、「ゲームのキャラと同じハープで演奏したい」ということで作っちゃいましたというこの作品。ただ、構造上はキーボードと一緒なので、ハープで演奏だけでなく、ゲームのプレイもできますとのこと。ゲームを知っている人が魅力に感じるのはもちろんですが、知らない自分でもハープを簡単に弾ける体験は魅力的。MFTで絶対触りに行く!
プレゼン動画はこちら👉[決勝審査会1:08:15] ※MFT2023展示あり

撫でられる人だけでなく、撫でる人も、見ている人もHappyになれるこの作品。いい距離感が生まれるので、周りに人がいても撫でやすく、コミュニケーションが生まれます。最初は基盤を隠していたけれどとても気持ち悪かったので、基盤むき出しにして「不気味の谷」を脱出したとのことです。MFTで展示してなくても、持ち歩いてるのを期待してる。
お面を被った黒子が登場するプレゼンは必見👉[決勝審査会48:45] 

審査員

今回発表された作品の良さを、より引き出してくれた審査員のみなさまはこちらの3名でした!

栗原一貴氏(津田塾大学情報科学科 教授 / Coolied, Inc. CTO)
菅原のびすけ氏(プロトアウトスタジオ)
池澤 あやか氏(タレント、ソフトウェアエンジニア)

おまけ

▼すべての決勝動画はこちらから!


▼つぶやきまとめはこちらから

▼応募全作品のコメントはこちら

蛇足

全体的に「好きなもの作りました」という空気を感じ、とても楽しい作品ばかりでした。そして、それぞれが特有のエッジをもっていて、審査基準次第でどれも優勝の可能性があるような作品ばかりでした。
やはり直接説明いただくと、ProtoPediaページからは伝わらない、開発者の思いやこだわりが沢山伝わってきます。さらに、質疑応答で審査員が作品の魅力を引き出します。
このあたりも、是非ProtoPediaページにも表現していただきたいので、せめて決勝プレゼン動画をProtoPediaにも貼り付けてほしいな。
また、ProtoPediaの時間(vol.145)でも、応募作品について語られているのでこちらもぜひご覧ください。

▼紹介作品

11:55スリムコインで電気をくれる君
19:05頭なでなで装置
25:00PianoRobo ~ビーバーの協奏~
33:10ショップバリュー ~長さを売る自販機~

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