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Hack On Air2017

「Hack On Air」最優秀賞は、VRで漫才師のツッコミ役になることができるゲーム

2017.02.22

今年の最優秀賞は、VRで漫才師のツッコミ役になることができるゲーム「ツッコミ祭点」
2017年2月18-19日にMBSが主催しておこなったTV×ITの融合を目的としたハッカソン「Hack On Air」の運営のお手伝いをさせていただきました。
最優秀賞を獲得した漫才VRチームは、リハーサルでもうまく動かなく、不安の中本番をむかえました。しかし、Unity常名さんからの「バグ除け」の効果が発揮されたのか、本番ではじめてデモが成功するという奇跡!発表も最後で、大トリにふさわしい盛り上げで、きっと文句なしの最優秀賞でした。
「今年の作品が素晴らしすぎて、来年以降のハードルがあがりすぎたのでは?」という意見もでるぐらいの出来栄えでした。
ちなみに、3回目となる「Hack On Air」のテーマはこちらでした。
「今が旬の6つのテクノロジーを使ってMBSの番組・イベントをもっと面白くするITサービスを開発しよう!」
①人工知能(AI) ②仮想現実(VR/AR) ③位置情報 ④IoT  ⑤ロボット ⑥フィンテック
の6つの技術(少なくとも1つを選択)と、MBSが持つ幅広いコンテンツの融合を目指すというのが今回のテーマです。
まずはアイデアソン予選を行い、そこで勝ち上がった8チームが本戦であるハッカソンに参加できるというのは例年通り。(今回は137人25チームが参加した中の8チームです)
アイデアソンでは、特別参加者として、Rubyの女神といわれている池澤あやかさん、お笑い芸人のラフ次元さんの3名、そしてMBS社員も数名混じって行われました。(※最優秀賞のチームはラフ次元の空さんチーム)
今回は、以下の審査基準をもとに選定いただきました。
 ・アイデア :独自性、新規性のあるアイデアか、番組やイベントが魅力的になるか、面白くなるか
 ・完成度  :実際に動作するか、技術的な創意・工夫が作品に反映されているか
より新しく、面白い技術にチャレンジしているか
 ・ユーザ体験:使っている人をワクワク、ドキドキ、ハラハラさせる仕組みはあるか
楽しい体験を与えるためのデザイン(設計の工夫)があるか
では、早速発表された作品を、最優秀賞、優秀賞、審査員特別賞からご紹介していきたいと思います。
今回のハッカソン様子は、2017年3月24日(金)深夜1:20~放送予定とのこと。
そして1ヶ月の見逃し配信もあるそうです。

■作品紹介

<最優秀賞>
■作品名:ツッコミの祭点/チーム名:漫才VR
VRで漫才師のツッコミ役になることができ、ツッコミのうまさを採点されるゲーム
http://hacklog.jp/works/50341

HMDを被ると、ホンモノの漫才の舞台で撮影した360度動画が見え、あなたの隣には相方(ボケ役)も現れます(スクリーン画面)。あなたのツッコミとセリフと動きによって、実際に漫才が進行。ツッコミは採点されます。
この作品は、見ている人も楽しめるよう、プレイヤーの隣に縦型の大型ディスプレイを用意し、そこに相方を表示。リアルな漫才を見ているような世界を演出するだけでなく、ツッコミの成功、失敗などもエフェクト表示されたり、両脇にあるLEDが光で教えてくれるので、ゲームとしての楽しみが盛り込まれています。


ツッコミの採点デモはこちら

こちらの作品は、Vive賞とUnity賞もゲットです。

アイデアソンの際、チームメンバーがなかなか集まらず、最後の最後でできたチームでした。


<優秀賞>
優秀賞は2つ選ばれました。副賞は5万円になります。

■作品名:林家Pay/チーム名:はぎーとゆかいな仲間たち
売れない芸人にもおひねりが渡せる新しい寄付サービス
http://hacklog.jp/works/50338
こだわったのは芸人に直接おひねりが渡せるというシンプルな、そして新しい寄付体験。漫才番組とリアルタイムに連動し、スマホから応援したい芸人に向かってフリックするだけで、芸人を楽しく応援できます。
自分だけでなく、全国のみんなが応援していることもわかるので、みんなと見ている感覚にも!?

ペイ(寄付)するデモ  ※何度もやりたくなる「サウンド」必見!

こちらの作品はAWS賞もゲットしました。

 
■作品名:夏井いつきの名句巡礼/チーム名:プレバト!!俳句チーム
日本全国の句碑の位置表示、ARで先生の解説が浮かび上がるアプリ
http://hacklog.jp/works/50329
俳句愛好者向けのアプリ。スマホの周辺位置にある句碑を地図上に一覧表示し、近くの句碑をタップすると、AR画面に切り替わります。そして、句碑にカメラをかざすと、夏井先生の解説を聞くことができます。さらに、そこから自分の俳句を投稿し、採点までしてくれます。

ARが浮かび上がり、解説してくれるデモ

こちらの作品はKudanAR賞もゲットしました。

「高齢者の方が出かけるきかっけになることも期待して」という審査員のコメントもありました。


<審査員特別賞>
そして、今回は特別に、審査員特別賞というものも送られることになりました。


■作品名:ROBOTCH/チーム名:ろぼおた!
ろぼっち(ROBOT+WATCH) はあなたと一緒にテレビを見てくれるお友達ロボット
http://hacklog.jp/works/50339
一緒にテレビを見ているロボットが、あなたと同じタイミングで笑ったり、あなたの声を認識して応えたりします。自分の好きなジャンルをLINEを使って登録すると、ROBOTCHが番組表から好きそうな番組が始まる時に教えてくれます。また、TVにカメラをつけ、ユーザが笑ったら、ロボも一緒に笑ってくれます。
そして、芸人の名前をつぶやくと、「誰それ?」などど反応します。

ラフ次元さんのコントをROBOTCHと一緒に見ているデモ

こちらの作品は協賛企業の関西電力賞、API企業賞も4つゲットです!



 
今回、審査をお願いしたのは、こちらの6名になります。

・小笠原 治氏/株式会社ABBALab 代表取締役
・閑歳 孝子氏/株式会社Zaim 代表取締役
・朴 正義氏/株式会社 バスキュール 代表取締役
・村上 臣氏/ヤフー株式会社 執行役員 CMO
・三村 景一氏/株式会社 毎日放送 代表取締役社長
・厚切りジェイソン氏/お笑い芸人・IT企業役員
 


審査員による、最優秀賞、優秀賞は逃したものの、他の作品も素敵な作品ばかりでした。
全作品を紹介したいと思います。
■作品名:茶屋町と1000人のゾンビ/チーム名:出血大サービズ
リアルなゾンビゲームで非日常体験を提供
http://hacklog.jp/works/50328
参加者はゾンビから逃げるサバイバーになりきり、茶屋町に散らばるチェックポイント(時間によって変化し、LINEで通知)を巡り得点を稼ぎます。チェックポイントではワクチン(得点)が得られますが、同時にゾンビによる攻撃の可能性に晒されます。
ゾンビの攻撃を受けると、付属の出血デバイスが作動。攻撃を受けたサバイバーは新たなゾンビと変わります。ゲームの進行に伴って増殖するゾンビの脅威から逃げるというゲーム。


出血デバイスが作動したデモ

こちらの作品は、大阪工業大学賞、そして、LINE賞をゲットです。

めっちゃいろんなことを実装できているのに…複雑すぎて伝わりきってなかったように思います。(もったいない)


■作品名:ココロケ!〜ここロケ地やねん〜/チーム名:超!がんばる21
MBS発番組のロケ地情報&道案内アプリ。ロケ地までは「ロザンの道案内しよっ!」風に音声案内
http://hacklog.jp/works/50336
地図上にMBSで放送された番組のロケ地がピンで表示され、ぐるなび APIで取得したお店情報や、ロケ時の出演者、タレントが食べたメニュー等も掲載。さらに、実際にロケにいったディレクターならではの情報(店長の想いやお店の歴史など)もわかります。
ロケ地までは「ロザンの道案内しよっ!」風に音声で道案内!お店は自分の近くにあるお店から探したり、最近放送されたコンテンツから選んだり、番組別の検索も可能です。


デモ

こちらの作品はさくらインターネット賞、そしてエーアイ賞、ぐるなび賞をゲットです。

1本のロケVTRのためにされたリサーチなどが一度放送されてしまうとそれで終了となってしまうのがもったいない!という社員さんの想いから生まれたアイデア。


■作品名:ア・ルモンdeツクルンデ/チーム名:By Son
メニューを決めるのが大変なお母さんのために、冷蔵庫の中にあるもんでレシピを紹介します。
http://hacklog.jp/works/50332
冷蔵庫の中身を写真にとり、余っている材料を認識。画像認識だけでなく、音声認識もあります。
食材データはMBSに送られ、上位材料を使ったレシピをMBS番組内で紹介します。また、各世帯をピックアップして、その家庭に適したレシピも紹介。さらに、好きな芸能人に応援してもらう機能も!?
冷蔵庫の中身を認識するデモ

 


■作品名:トレンドキャッチアップ/チーム名:MIT
盛り上がったMBSの番組を追いかけることでトレンドをキャッチアップ!
http://hacklog.jp/works/50337
人工知能によるtwitterのつぶやきの解析や各家庭のテレビ視聴時の笑い声,歓声の音声データを収集することでトレンドを抽出し,動画を自動編集。そしてLINEやSotaにより抽出したトレンドシーンを切り取って送ります。

盛り上がった18分のシーンを切り取ってLINEで送信

こちらの作品は、キントーン賞、ハンズラボ賞、Yahoo賞をゲットです。

審査員の方からは、「アイデアソンの段階では、人気の場面だけみたいなんて人がいるのか?っと思ったけれど、今でデモをみせてもらって、たしかに気になりました」という言葉が。
アイデアを聞くだけと、実際にデモをみせてもらうのとでは評価がかわるのは、デモの強さですね。
ただ、他の審査委員の方がおっしゃっていたように、番組単位の抽出よりも、1日単位の抽出のほうがニーズがありそうな気がします。
 
今回のハッカソンで作られた作品は以上です。
最後は、スタジオで集合写真!掛け声は、「Hack on えあーーーーーー!」

 
続いて、イベント風景をお伝えします。

■イベント風景

発表順のくじ引き


2日目朝のドナルドエクササイズ


2日目午後のダウン者達。

そんな様子もみかねて、運営チームからレッドブルの差し入れ

そして、こんなにたくさん技術サポータ!

今回サポートいただいた技術・素材はこちらになります。なんと、19社!!
IBM Bluemix(IBM):クラウドサービス
アマゾン ウェブ サービス (AWS)/アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社:クラウドサービス
VIVE(VIVE):360°のルームスケールVRシステム
日本語音声合成API AITalkWebAPI(株式会社エーアイ)
レストラン検索API など(株式会社ぐるなび)
Twilio(株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ):電話API
Kudan Engine(Kudan株式会社):AR開発キット
CoineyKit(コイニー株式会社):クレジットカード決済に必要な機能や、それらをサポートする機能を提供
SendGrid(株式会社構造計画研究所):クラウド型メール配信サービス
kintone(サイボウズ株式会社):クラウドデータベースサービス
さくらのクラウドさくらのIoT Platformβ(さくらインターネット株式会社):IaaS型クラウドサービス
ロボホン開発者用SDK(シャープ株式会社):パーソナルモバイルロボット
Sota(シャープ株式会社):卓上サイズのコミュニケーションロボット
・ブロックチェーンAPI(NRI 野村総合研究所):ブロックチェーンAPIサービス
BOCCO(ユカイ工学)
MESH(ソニー):消しゴムサイズの電子タグ
myThings Developersなど(ヤフー株式会社)
Unity(Unity):ゲーム開発エンジン
LINE Messaging API(LINE株式会社):LINEメッセージのAPI
 
各チーム毎にハッカソンの様子をお届けします。
■林家ぺー色(ピンク)のはぎーとゆかいな仲間たち
池澤さんが参加していたチーム。ずっとモクモクしてましたね。

 
■オレンジTシャツのBy Sonチーム
ラフ次元梅村さんの参加していたチーム。リーダーであるバイソンさんのプロ意識に刺激をうけました。

■イエローTシャツの俳句チーム
大人の力関係を感じたハッカソンとなったそうですw。(プロデューサーの権力は偉大!)

 
■グリーンTシャツのろぼをたチーム
発表後、とても悔しがっていましたね。今回のハッカソンでは、可能性を見せてくれました。

■ブラックTシャツの出血大サービズチーム
チームの仲が良く、一番ハッカソンを楽しんでいたように見えました。

■ブルーTシャツの漫才VRチーム
ラフ次元の空さんが参加していたチーム。VIVE、Unityサポータのみなさまとは、ほぼチームメンバーのようでしたね。実は、最後までデモがうまくいくのか?心配でしたが、神は降りてきましたね。


 
■ショッキングピンクTシャツの超!がんばる21チーム
社員さんの熱い思いがプレゼンで伝わってきました。サイボウズのお兄さんを邪魔扱いしないでねw。

 
■スカイブルーTシャツのチームMIT
作品を更にブラッシュアップして、LINEBotAwardsの学生賞をゲットしてください!

 

Twitterのつぶやきやflickrの写真をみていただくと、イベントの盛り上がりや雰囲気がより伝わるかと思います!
●つぶやきまとめ(togetter)
・アイデアソン https://togetter.com/li/1080099
・ハッカソン https://togetter.com/li/1082786

●イベン写真(flickr)
・アイデアソン https://www.flickr.com/photos/100125183@N08/albums/72157678418898481
・ハッカソン https://www.flickr.com/photos/100125183@N08/albums/72157677002763023

●関連ブログ
MBSハッカソンにはドラマがあった/宇都宮ウエブ制作所
ラフ次元空チーム・漫才VRがツッコミ採点アプリで優勝「MBSハッカソン」密着番組/お笑いナタリー
MBSハッカソン決勝(観戦席から)/keita_shimabの日記
最後の最後の懇親会での集合写真です!みんな本当にお疲れ様でした!
 
☆special thanks☆
今回もSendGridの中井さんにたくさん写真を撮影いただきました。
中井さん。素敵な写真をありがとうございます。

 

蛇足

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ハッカソンは、難しい技術に望めば望むほど、本番のデモのリスクが高くなる傾向にあります。それを知っているからこそ、ハッカソン慣れしているMA運営陣+APIサポート企業が一番心配していたのが、最優秀賞を獲得した漫才VRだった気がします。
最後、デモの後の盛り上がった空気、そして一体感は、作品が面白かったこともありますが、難しい技術に挑んでいるからこそ、「デモが成功して欲しい」と思っている人達の「やった!」という気持ちもかなり含まれていたように思います。
特に、二人三脚でサポートしていたVIVEとUnityサポータの人達の喜びは、参加者と同じぐらいだったのではないでしょうか。
MashupAwardsの最近のハッカソンでは、最後にお互いの作品を触りあえる「touch&try」の時間をもうけるようにしています。今回の作品も、参加者どうしで最後触れたらよかったな。
運営のみなさまお疲れ様でした。

 
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