アーティスト×オーディエンス×テクノロジーのMashup
ミュージシャンやパフォーマーと一緒にサービスを作る「MUSICIANS HACKATHON」の運営のお手伝いを初めて3年目。
今回は、好きなものを作るというよりは、利用する場面を限定し、テーマも絞ってのハッカソンMusicians Hackathon for 「TECHS2」を開催しました。
今回作られた作品を利用するステージは、2017年2月14日にされるライブイベント「TECHS2@SuperDeluxe」。テーマは、このイベントに出演するアーティストの ステージ演出、ライブ表現とイベント全体のコミュニケーション を盛り上げるサービス、仕組みです。
審査は、最優秀賞を決定し競い合うという形ではなく、TECHSの運営チームの方々が「使いたい!」っと思うかどうか?というハッカソン。
結果、作られた作品は、全て「使ってみたい!」となりました。
どんなサービスが作られたのか?発表順にレポートします。
■発表作品
①作品名:SHAKIN’
観客にスマホのライトを光らせてもらい、アーティストとオーディエンスとの新たなつながりを提案
hacklog.jp/works/3909
観客のスマホライトをKinectで検知し、スクリーンに光を投影することで、観客もライブに参加できる仕組み。具体的には、幕間の演出などの利用を想定。例えば、次に出演するアーティストを皆で迎えるなどすれば観客全体の一体感を演出できます。また、幕間にイベントを発生させることでライブ全体にストーリーをもたせることもできます。
↓スマホライトをスクリーンに投影するデモ
【Musicians Hackathon】#MA_2017
1チーム目shakin
ライブの幕間に観客にスマートフォンの明かりを出してもらい、その光などと連動したヴィジュアルを出せる pic.twitter.com/cxVUIO2uGT— MashupAwards (@mashupaward) 2017年1月15日
実際にライトを光らせオリオン座を作ろうと試みましたが、他の人との協働作業になり、観客同士のつながりも生まれそうでした。
またこの作品は以前のバージョンはスマホをシェイクすることで、スクリーンの映像と連動する作品でしたが、今回はもっと単純な仕組みにし、実際の利用を前提に考えられた製品へと成長したように思います。
②作品名:LiveHack
オーディエンスがライブの楽曲や演出に参加できるツール
hacklog.jp/works/50253
ランダムに選ばれたオーディエンスが、スマホであわせたい音を選び、アーティストの曲に反映。MIDIで制御しています。
また、オーディエンスのタップの数がある一定数たまると、アーティストが動くなど、ライブの演出に参加することもできます。(利用例:FEMMの電池をオーディエンスの力でONに!)
↓実際に楽曲を変えていくデモ
【Musicians Hackathon】#MA_2017
2チーム目 live hack
デモ
実際に楽曲を変えていく pic.twitter.com/fnodh4YEmE— MashupAwards (@mashupaward) 2017年1月15日
③作品名:感情共鳴システム
アーティストと観客が一体となって盛り上がれるツール
hacklog.jp/works/50254
スマホでタグを撮影すると、スマホに歌詞やアイコンがオーバーレイしま、アーティストの表現の幅を広げます。また、スマホを振るとスクリーンに星が流れるなど、オーディエンスも演出に参加できます。
↓スマホにオーバーレイするデモ
【Musicians Hackathon】#MA_2017
3チーム目感情共鳴システム
デモ pic.twitter.com/cpTo57TSTh— MashupAwards (@mashupaward) 2017年1月15日
ライブ中ずっとスマホを見られるのはアーティストとして寂しいかも…などの意見もでましたが、ある曲の時など限定して利用するならありなど、利用の意見が次々と飛び出した作品でした。
④作品名:スマホダンス
スマホの加速度センサーを起点にして、映像ビジュアル・音楽がリアルタイムに変わる
hacklog.jp/works/50252
スマホの加速度(XYZ軸)を元に映像の描画をコントロール。複数のパフォーマーの動きでリアルタイムに映像を作り出すことを想定して制作しており、赤担当、青担当など、コントロールできるアイコンはそれぞれのスマホに連動。また映像だけでなく音とも連動。赤はビート担当、青はピアノの和音担当、緑はシンセ担当など割り振られています。
↓スマホで映像を連動するデモ
【Musicians Hackathon】#MA_2017
4チーム目スマホダンス
それぞれのパフォーマーにスマートフォンを持ってもらい映像と連動させる
デモ pic.twitter.com/ZT02L3rk8R— MashupAwards (@mashupaward) 2017年1月15日
今はまだ「曲」にはなりませんでしたが、センサーの動きと音をきちんと計算された形になれば、ダンスで曲を奏でることが可能になります。
⑤作品名:DANCEOWND
ダンサーが音を作るサービス(タップダンスの進化系)
hacklog.jp/works/50260
Kinectで手の位置をとり、音楽のボリュームをコントロール。現在はマスターボリュームだけですが、それぞれの音をコントロールすることが当初のイメージだったとのこと。
またスニーカーに仕込んでいる加速度センサーによって効果音を奏でることができます。
↓手の位置で音楽のボリュームをコントロールするデモ
【Musicians Hackathon】#MA_2017
5チーム目 ダンサウンド
デモ
すげー! pic.twitter.com/vX0ojgjLD2— MashupAwards (@mashupaward) 2017年1月15日
「進化系のタップダンスだよね?」という意見がありましたが、わかりやすい表現ですね。ただ、音に合わせて踊っているようにも見えるので、踊りにあわせて音がでていることがもっとわかりやすいといいという意見もでました。
発表された作品は以上です!
■参加アーティスト
今回のハッカソンに参加いただいたアーティストのみなさまです。
・小南千明さん:DAW女シンガーソングライター、2017年ポニーキャニオンよりメジャーデビュー
・黒田有彩さん:タレント、宇宙×音楽
・・(point):バレエ/エレクトロニック・ダンス・ミュージック・ユニット
・FEMM:2体のマネキンからなるダンス&ラップデュオ
・SpininGReen(モデル・ユニット ダンス×ファッション×テクノロジー)
Twitterのつぶやきまとめと、写真をみていただくと、イベントの盛り上がりや雰囲気がより伝わるかと思います!
・つぶやきまとめ https://togetter.com/li/1070761
・イベント写真 https://www.flickr.com/photos/100125183@N08/albums/72157675413047164
みなさま、お疲れ様でした!
蛇足
最優秀賞を決めない形のハッカソンは、わきあいあいとしていて好きです。そして、作ったものが採用されるのってうれしいですよね。
発表後のコメントも時間無制限だし、演出家の方のコメントや、アーティストの方のコメントなどが聞けるのも他にはない機会です。
こういった業界を超えたつながりが、ハッカソンという場をきっかけに、継続的に行われていく「MUSICIANS HACKATHON」のハッカソンの利用方法は、とてもいい形だと思っています。
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