日本最大級のコンテスト「ヒーローズ・リーグ」は、9年間ぐらい、発表された作品をブログで書き残しています。
頑張って書き続けてきたので、一度過去の作品を振り返ってまとめてみたいと思いたちました。毎週なにかの切り口で過去の作品をまとめる予定です。
過去の作品でも、オモシロイ作品が多く、今後の創作活動の刺激になるのではないか、と思ったりもしてます。
第1弾は、「MAリーグ決勝に相当するイベント」特集
ヒーローズ・リーグでは「MAリーグ決勝」、MashupAwardsでは「2ndSTAGE(準決勝)」といわれていたイベントです。このイベントの特徴は以下3点。
・「誰か」に推薦されて選ばれた作品達が集まり、発表(デモ)する
・ここに参加した人の会場票によって1位が決まる
・1日拘束され、約50作品の発表を聞く
MashupAwards時代、私はこのイベントが一番楽しいとアナウンスしてきました。このイベントは2014年に再構築され、再構築後に「1日拘束+約50作品の発表を見る」というイベントとなりました。言葉にすると過酷なイベントではありますが、参加するととても楽しいこのイベントが私は一番好きでした。
よく「”決勝”が一番楽しいって言わないの?」と突っ込まれましたが、選びぬかれた少数の作品ではなく、多種多様な作品がみられ、交流も大切にするこのイベントに私は魅了されていました。
そんな、私のようなマニアな方のための特集です。
このブログで、受賞一覧にはなかった名作を見つけて(思い出して)もらえたらと思います。
まずは、各年に会場投票1位を獲得した作品を眺め、自分が参加した年を思い出してみましょう。
▼会場投票1位を獲得した作品達(記録として残っている9年間のみ記載)
開催年 | 作品名 |
2020年 | Star ☆ Jam Street ~清掃楽器音楽夢想~:清掃楽器によるインタラクティブパフォーマンスアート作品 |
2019年 | 波動ティッシュ:とあるアレの波●拳が出せるティッシュケース muscle smile:顔認識で腹筋回数をカウント |
2018年 | Facelot:写真を撮るだけでエントリーできる抽選システム |
2017年 | 「猫になる」VR:疲れた時、猫になって撫でてもらえる ext-broom:ほうき型モビリティで「クィディッチ」を再現 |
2016年 | srt.js:YouTubeの映像と連動したマッシュアップ作品を簡単に作れるJavaScriptフレームワーク |
2015年 | 参式電子弓:本物の弓を使ったスタンドアローンARゲームシステム |
2014年 | Twinkrun:インディアンポーカー×鬼ごっこのMashup作品 |
2013年 | 票数発表なし |
2012年 | Voicepic:写真に音声をつけてソーシャルメディアに共有することができるサービス |
ヒーローズ・リーグ オンライン 2020
初めてのオンライン開催。個人スポンサーがはじまった年でもあります。オフラインイベントがなくなり、作品に触れなかったのがとても寂しい年でした。
そんな2020年のオンラインリーグ決勝に選出された作品の中から、私のお気に入り作品を以下にピックアップしてご紹介。
決勝動画はこちら
◇会場投票1位:Star ☆ Jam Street ~清掃楽器音楽夢想~
清掃楽器によるインタラクティブパフォーマンスアート作品
ーーー
・顔ホッケー:web会議ツールで遊べる、ホッケーゲーム
・X(r/n)os:電気仕掛けの時計
・くまりん:リアルアバター
・リモートdeキー暴動?:自動で動くキーボード
…などなど。
ヒーローズ・リーグ2019
FESTA(展示会)会場は2年連続のアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京。
そんな2019年のMAリーグ決勝で発表された作品のなかから、私のお気に入り作品を以下にピックアップしてご紹介。会場は株式会社アイ・エム・ジェイ。事務局の発注ミスにより、「ロコモコ丼3つ」がノルマになったイベントです。
◇会場投票1位
・波動ティッシュ:波●拳が出せるティッシュケース
・muscle smile:顔認識で腹筋回数をカウント
ーーー
・DM警察:DMを受け取ったら「オープンチャネルに行きましょう!」と注意してくれるBOTを召喚できるサービス
・Magnet LED Ball:磁石とLEDを使ったLEDボール
・文庫の顔:文庫本の表紙をただただ眺められるサイト
・授心機:タンスの角に足をぶつけてイライラした気持ちを消化してくれる装置
・Wearbo:布製ウェアラブル文字入力デバイス
…などなど。
MA ヒーローズ・リーグ2018
ヒーローズ・リーグとなり、たくさんのリーグが生まれた年。FESTA(展示会)会場はアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京。
そんな2018年のみんなで選ぶヒーローで発表された作品のなかから、私のお気に入り作品を以下にピックアップしてご紹介。会場は恒例となった「カルカル」。
◇会場投票1位:「Facelot」
写真を撮るだけでエントリーできる抽選システム
ーーー
・GameControllerizer:なんでもゲームのコントローラにしちゃうやつ
・Cassettify:インターネットストリーミング音楽が聴けるカセットテープ
・腕de時計:腕の確度が現在時間になると光る時計
・鳥籠の人工苔は電気琴鳥の夢をみるか:人工苔で宇宙人とのコミュニケーションを練習
・青い青春:マシュマロとチューすると眼鏡がカチャカチャ
・自分ごと化フィルタ:個人に特化した単位に変換するchrome extension
…などなど。
MashupAwards2017
MashupAwardsとして開催した最後の年(つまり2ndSTAGE最後の年)。FESTA(展示会)会場はTABLOID。
そんな2017年の2ndSTAGEで発表された作品のなかから、私のお気に入り作品をピックアップしてご紹介。会場はカルカル(渋谷)。
◇会場票1位
・「猫になる」VR:疲れた時、猫になって撫でてもらえる
・ext-broom:ほうき型モビリティで「クィディッチ」を再現
ーーー
・Water Melon Sound:機械学習ですいかの成熟度を判定する装置
・Jobs’presentation,Michael’s dance:「動き」や「姿勢」を学ぶ服
・cabot:カホン演奏ロボット
・コーディネート:背景色に合わせて、自分の服の色を変えるデバイス
・KENPARIS:けんけんぱ+テトリス
…などなど。
MashupAwards2016
FESTA(展示会)が初めて行われた年で、決勝イベントと同時にコミュニティ対抗LTや展示会も開催されました。キックオフは夏祭り。FESTA会場は寺田倉庫。
そんな2016年の2ndSTAGEで発表された作品の中から、私のお気に入り作品をピックアップしてご紹介。2ndSTAGE会場は渋谷に移転したカルカル。
◇会場票1位:srt.js
YouTubeの映像と連動したマッシュアップ作品を簡単に作れるJavaScriptフレームワーク
ーーー
・トイレの神様:座った人・様子をセンシングする便座型デバイスと様々な付加機能をもったAIによりトイレを見守ります
・Reco-co:「もう一度、ここ!」後から聞返しやすいボイスメモアプリ
・つまのドア:妻が機嫌を通知して旦那に行動をレコメンド
・年収800万円以下でも寿司が止まって見える装置:ゾートロープの原理を使った、回転している寿司が止まってみえる装置
・Ba-Chang Car:お婆ちゃん専用モビリティをより便利で安全に
…などなど。
MashupAwards11(2015年)
APIが使われていない作品が最優秀賞になり、ざわついた年。決勝イベントはTechCrunchTokyo内で開催。
そんな2015年の2ndSTAGEで発表された作品の中から、私のお気に入り作品をピックアップしてご紹介。2ndSTAGEの会場は、お台場のカルカルです。
MashupAwards10(2014年)
決勝イベントはTechCrunchTokyo内で開催。丹波のゆるきゃら「ちーたん」が目立った年。
そんな2014年の2ndSTAGEで発表された作品のなかから私のお気に入り作品をピックアップしてご紹介。2ndSTAGEが1日拘束で52作品を見る形に大変身した年です。
◇会場票1位:Twinkrun
インディアンポーカー×鬼ごっこのMashup作品
ーーー
・T☆L Perc!!:人間パーカッション装置
・ごはんですよ!:スマホをロックするスイッチ
・intempo:流れる音楽のリズムに乗って歩けば、乗りたい電車の時刻にちょうどよく到着できるアプリ
・Aishintel :こっそりひっそり通信するウェアラブルデバイス
・E2D3 ver. 0.2:ExcelからD3ライブラリーを簡単に呼び出せるOffice用アプリ
・テレブー:テレビ・キュレーション・ロボット
・DrunkenMaster:お酒の場を楽しくするゲーム
…などなど。
MashupAwards9(2013年)
チームビルディング型のハッカソンを毎週どこかで開催し始めた年。決勝イベントはTechCrunchTokyo内で開催。
そんな2014年2ndSTAGEの発表作品レポートはこちら(第一弾/第二弾)。この年には会場票の順位を発表する制度はありませんでした。そして、2ndSTAGEが深夜にまで伸びてしまい、発表が夜中のTwitterになった年(すいません)。
・1Click飲み
・毎朝体操
・bambie
・ソーシャルツリー2013
・ダンナトレース
・ミミミル
MashupAwards8(2012年)
決勝イベントをTechCrunchTokyoと同じステージで開催したこの年。
そんな2014年2ndSTAGEの発表作品レポートはこちら。2ndSTAGEを審査員審査ではなく、会場投票に変更した初めての年でした。
◇会場票1位:Voicepic
写真に音声をつけてソーシャルメディアに共有することができるサービス
ーーー
・melocy
・シャチクのミカタ
・SoMoX
・寝顔認識めざまし FACE KICK
MashupAwards7(2011年)
地域予選が始まった年。決勝イベントはボクシングのリングを設置。
そんな年の2ndSTAGEは、会場票での決定ではないですがレポートがあったので、記載しちゃいます。→ 2011年2ndSTAGEの発表作品レポート
こんな作品が発表されていました。
・iQON
・Facematch
・ソーシャルランチ
・トイレシュラン
・fuji-san (ふじけん△略してfuji-san)
・ミブリ・テブリ -QUIZ kinect-
・AIR SHODOU
・smoon
いかがでしたでしょうか?
今回取り上げたこのイベントは、「誰か」に推薦されて選ばれた作品達が集まり、発表するイベントです。ここで発表したことは、「すでに誰かに評価されたということ」であり、誇りに思ってほしいなと思います。
ただ、「コンテスト受賞」という形で評価が残っていない作品も多く、個人的にもったいない気持ちもあったので、まとめてみました。
「あの作品好きだったなー」なんて作品がProtoPediaに登録されていたら、是非「いいね」を押してください。
昔の作品だって、きっと嬉しいはずです。
蛇足
今回のブログでは作品紹介にとどまりましたが、このイベントの本当にすばらしいところは、以下のプログラム構成なんです。
入場
↓(交流+接続チェック)・・・ここからお酒が入りますw
作品の発表(第一部)
↓休憩(交流+接続チェック)
作品の発表(第二部)
↓休憩(交流+接続チェック)
作品の発表(第三部)
↓懇親会(大交流)
結果発表
発表と交流のサンドイッチ。作品発表することで、作品が名刺代わりとなり、交流は作品の作り方をきいたりなど、活発に行われます。
コミュ障な人でも大丈夫。自分の作品のことを聞かれると…。
あら不思議。なんて流暢に話すんでしょう。
創作者同士だからこそ生まれる質問。ここで、同じような興味を持つ仲間を見つけたり、新しい視点に出会ったり。参加者の方のブログ→MA2018に参戦したおかげで少し語れる様になった – VUI「けいこさん」の設計思想
また、このイベントやりたい!
他の過去作品まとめはこちらのカテゴリ(作品紹介)をご覧ください。
(まなみ)
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