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名古屋ハッカソン予選|MA2016

釣り竿や農作業用のクワをハック!「IoTとセンサーとAPIのごった煮ハッカソン」

2016.11.05

釣り竿や農作業用のクワにセンサーをつけたり、家電や傘が主張してきたり…
「作りたいものを作ったった!」感あふれる作品ばかりで、笑いあふれるハッカソン

名古屋工業大学で行われたMashupAwards名古屋ハッカソン予選。ハッカソンタイトルは「IoTとセンサーとAPIのごった煮ハッカソン」とありますが、ぶっちゃけなんでもありのこのハッカソン。
運営側としては、ハッカソンタイトルを頭に入れながらも、
・トガッたモノ
・振り切ったモノ
・作りたいモノ
を作って欲しいというメッセージを伝えました。
どんな作品が作られたのか?!今回のハッカソンで作られた作品を、最優秀作品から紹介していきたいと思います。

■最優秀賞

このハッカソンでの最優秀作品は、最優秀賞賞金100万円のMashupAwards2016の一次予選免除となり、準決勝である2ndSTAGEに進むことができます。
<最優秀賞>
■作品名:自己主張〇〇s/チーム名:自己否定
モノ自身がゆるく主張するサービス

hacklog.jp/works/48866
情報過多の時代に,完全自動になって押し付けるのではなく、そのイベントに対して抽象的にお知らせすることを目指した作品。電子化されたテキストメッセージを発するのではなく,あくまでモノ自身が主張します。好きなTV番組が近づいてきたらリモコンから音がなったり、天気予報が雨のときには傘が光ったり。
 

↓傘が自己主張するデモ

最優秀賞おめでとうございます。こちらの作品は「ヤフー賞」も受賞しました!
 
審査員ののびすけさんからは「傘よりも傘立てが主張したほうがよくないっすか?」というするどいツッコミも受けていましたね。アドバイスを取り入れながら、準決勝である2ndSTAGEではバージョンアップされることを期待しています。
個人的にはリモコンに関してはすごく欲しいです。私の場合、探すのにとても時間がかかるので、1曲ぐらい主張しつづけて欲しい。(iPhoneなくして電話をかけてもだいたい着信している間に見つけられない人)
 
今回審査いただいたのはこちらのお二人です。
・河口 信夫氏/名古屋大学 未来社会創造機構 教授 、NPO 法人 Lisra 代表理事(左)
・菅原 遼介(のびすけ)氏/dotstudio株式会社 代表取締役(右)
 
以下の項目を基準として審査いただきました。
①アイデア:独自性、新規性、優れた着眼点、発展可能性
②完成度:2日間の努力が作品に反映されているか
③デザイン:芸術性、優れた表現技法
 

■発表作品

惜しくも最優秀賞は逃しましたが、他にも素敵な作品が発表されました。各企業の独断と偏見で決定する「企業賞」を獲得した作品もあります。
■サービス名:街ing/チーム名:市川電産
地域を活性化させるIoTGame!
hacklog.jp/works/48867
街を全体から見れるため街を知れます。そして、「自分だったらこのあたりに出店したいな。」など思考のプロトタイピングができる街のシミュレーションゲーム。Agインクを使ったシャッターがわりのデバイスを自作し、Mapilaryから確認した通行人と商店街のトラフィックカウンターデータを使ってシュミュレーションできます。大きなボードに投影したのは、子供と一緒に遊びながらワークショップができるように。
 
スマフォ画面と自作デバイスを絡めたデモ。

 


■サービス名:ノビィの耳はラズパイの耳/チーム笑み:うめ
ノビィという人工知能APIに音声入力でデータを送りたい
hacklog.jp/works/48857
Raspberry Piから音声を拾い、ノビィという人工知能APIにデータを送ってみました。音声入力部分は、名工大産のjuliusというモジュールを利用。
 
1日目の午後から参戦してもくもくと作業をしてくれていました。「作りたいものを作った!!」という感じがとてもMAらしいなと思った作品です。
 


■サービス名:家電の魂/チーム名:家電祈祷師
家電の届かない声をききとって、伝えてくれる自作デバイス
hacklog.jp/works/48859
家電の声をmbedに送り、ノビィAPIやTwitter,メールなどでお知らせします。例えば洗濯機が「洗濯終わったよー」っとTwitterでお知らせしたり、くまのぬいぐるみが話してくれたり。スマート家電を買わなくても、今使っている家電に後付すれば、マイク型スマート家電に早変わりします。
 
↓ぬいぐるみが家電の気持ちを話し出すよ

こちらはアプレッソ賞をゲットです。

 


■サービス名:味噌と奥さんとおはし/チーム名:人類の食卓の平和を願う会
味噌汁の塩分の濃さをそっと教えてくれるスマートお箸

hacklog.jp/works/48865
スマートお箸でお味噌汁の塩分の記録をTwitterでながしたり、さり気なく伝えます。実際に塩分を測りたかったけれど、ハッカソン期間中では実装できなそうだったので、完成形をイメージできるように、今回はArduinoとタッチセンサのついたスマートお箸で部屋の灯りを変えるというデモを実演。
 
↓箸がお椀に触れるとライトの灯りがかわるデモww

現実的に考えたらツッコミどころ満載(箸そんなにでかいと食べにくいよ、味噌汁以外もたべるよねなど)ですが、みんなの笑顔を一番引き出していましたね。技術の無駄遣いがとても大好きな作品です。
 


■サービス名:うなCOOLβ/チーム名:釣り好き
うなぎが釣れると電話やプッシュ通知で教えてくれる釣り竿デバイス
hacklog.jp/works/48868
うなぎが竿にヒットするとプッシュ通知で教えてくれたり、家族に電話で伝えてくれたり。うなぎ釣りの課題を解決します。
 
↓うなぎを釣ると電話がかかってくるデモ

「いっその事全自動で釣るところまでやってしまえば?」というツッコミが審査員から入っていましたが、作りたいものを作った感満載で、こちらの作品もとても好きでした。
 


■サービス名:農業師匠/チーム名:スーパーアグリ
農業の師匠との動きを比較して、農業素人へアドバイス
hacklog.jp/works/48870
クワにセンサー(スマートウォッチとスマートテニスセンサー)を付け、玄人データと動きを比較。「振りかぶりすぎじゃ!腰を痛めるかもしれんのう」などのアドバイスを得られます。また動きをキネクトで撮影し、そこでも比較。3Dモデルでも試みましたが、写真が足りなかったそうです。
 
↓クワを降るとセンサーデータが取れるというデモ

こちらの作品はNTTドコモ賞、サイボウズ賞、Autodesk賞、SONY賞と4つの企業賞をゲット!いろんな技術にチャレンジしてくれましたね。
  
発表された作品は以上です!
今回はグラフィックレコーディングも書いてもらいました!(松井さんありがとうございます)
  
 

■イベント風景

どんな流れで今回の作品は作られていったのか?!イベント風景もお伝えします。
まずはアイスブレイク!司令は「IOT化されたら嬉しいものを絵で書いてください!」

 
書いたら同じテーブルの人に当ててもらおうね。
 
 
<インプットタイム>
空気が温まったら、早速インプットタイムです。今回は以下の7社の方にサポートにきていただきました。
kintone(サイボウズ)
ドラッグ&ドロップでデータベースの設計可能。バックエンドだけでなく。REST APIによる拡張で地図と連携させたり、グラフ表示させたり、フロントエンドの利用の仕方もできます。
 
デバイスコネクトAPI(NTTドコモ)
デバイスコネクトWebAPI は、スマートフォンアプリやWebブラウザからの様々なIoT機器利用を実現するフレームワークです。
 
Autodesk Forge(オートデスク株式会社)
Autodesk Forge は、オートデスクがクラウド サービスで使用している様々な要素技術を、API として公開したクラウド プラットフォーム。他社のAPIも含め、Web 開発の手法で自由にマッシュアップすることで、デザインデータを活用するさまざまなサービスを、Web ブラウザをインタフェースにデザイン データに関わるすべてを共有する新しい作業スタイルを構築出来ます。
 
myThings(ヤフー株式会社)
myThingsは様々な企業が公開しているAPIを、 良くあるユースケースごとにチャンネル(トリガーとアクション)という形に整形して提供します。このトリガーとアクションを組み合わせて使うことで、普段日常的に行っていることを自動化できます。
 
Smart Tennis Sensor(ソニー)
テニスラケットでボールを打った時のスイングの種類、スイングスピード、ボールスピード、ボールスピン、ボールの当たった位置などのショットデータを簡単に取得できます。テニスに限らず、子のセンサーを使ったサービスを期待しています。
 
DataSpider Servista(アプレッソ)
各社から提供されるAPIを組み合わせ活用することも、オリジナルのAPIとして利用することもDataSpiderならノンコーディングで実現が可能です。連携部分の実装を効率化させることでより多くの特徴的なAPIを利用することができます。
 
ニフティクラウド IoTプラットフォーム(ニフティ株式会社)
ニフティクラウドのプラットフォーム上に、IoTで必要となるさまざまなパーツをご用意しています。必要なパーツを組み合わせ、ゼロから構築するよりも「早く」「低コスト」でIoT化を実現可能。
 
インプットタイムがおわったら、質問+お触りタイムです。
 
 
<アイデアソン+チームビルディング>
今回作る作品のアイデアを考えていきます。
まずは先程インプットタイムできいたAPIやデバイスを10個書き出し、次に週末に見たもの触ったものを10個書き出します。そして、隣の人にシートをパス。
隣の人は書き出されたキーワードを一つ選んで、連想ワードを書き込んでいきます。
    
そして、違う人が書き出した連想ワードと、自分が書き出したキーワードをかけ合わせて、以外な言葉を作っていきます。以外な言葉を作ったらテーブル内でシェア!
 
そこで出されたキーワードをもとに、ジャストアイデアを4つ考えていきます。 
今度は違うテーブルの人とアイデアをシェアしていきます。
 
ジャストアイデアのシェアをしたら今度は今回作りたいアイデアを清書し、そのアイデアをもとにチームビルディングをしていきます。
 
チームが決まればランチ!今日は学食です。
 
ランチの後はチームで今回のハッカソンで作るアイデアをブラッシュアップさせていきます。 
そして、「つくるもの発表」。
本日だけ参加の人は本日の成果を発表!ネギを降ると連動してミクちゃんが光るよ。
 
 
 
<ハッキングタイム>
作るものが決まればあとはモクモク、ハッキングタイムです。
 
途中でクワなども登場。
 
サポートも熱心です!
 
データがちゃんと取得できるのか?の検証が怪しすぎます。
 
途中経過発表では、途中から参加した方の作品発表も。
 
2日目の朝はラジオ体操から!API企業のみなさまもみんなでレッツダンシング! 
2日目から参加の方の自己紹介もありつつ、レッドブルも投入されました!
 
追い込み追い込み。
 
2日目は持ち込む道具も増えます。
 
ただ…1チームだけ昼になっても一人も来ません…(手前のテーブルのチーム)

モクモクもくもく。みんな真剣です。
  
プレゼンのための動画撮影も始まります。

タイムアップ!みなさまおつかれさまー!

 
<成果発表>
作ったものを発表していくよ!

技術の無駄遣い作品には、審査員もこの笑顔(苦笑い?)!!
 
みんな好きなものを作った感ある発表が続きます。
 
 
<touch&try>
成果発表が終わったら、みんなで作ったものを実際に触ってみるよ。リモコンすげー。  
<結果発表>
発表は、企業賞から始まり、最後は最優秀賞の発表です。
最優秀賞は「自己否定チーム」!!おめでとうございます。
 
最後は審査員お二人から、全ての作品についての講評です。
 
ハッカソンという短時間で発表する「競技」という視点では厳しい意見もありました。
河口氏:「いろんなデバイスを使っているチームが多かった。動くはずが動かない、出来るはずが出来ないというのが多かった気がします。2日間でできる範囲をうまく設計して、、というのがもう少し細かくできていたら良かったかな。」
 

■MashupAwardsとは

今回のハッカソンは日本最大級の開発コンテストであるMashupAwardsのハッカソン予選。Mashupとはもともとは「混ぜ合わせる」という意味の英語で、それがネットの世界でも使われるようになり、「複数のWEBサービスのAPIを組み合わせ一つのサービスを作る」という言葉。
その言葉の通り、MashupAwardsは複数のAPIを組み合わせたサービスのAwardsでしたが、時代も変わり、多様性ある作品が応募されるようになり、今のキーメッセージは「モノづくり自由形」
APIを使わない作品も応募してOKです。
でもMashupAwardsのハッカソンいいところは、企業の方が二人三脚でモノづくりをしてくれるところ!だから、是非活用してね。
MashupAwardsの楽しみ方もいろんな方法がありますが、ハッカソンは「モノづくりをするきっかっけ」であり、「新しい技術を学ぶ場」でもあり、「仲間を作る場」でもあり、「発想の刺激をうける場」でもあります。
 
既に作ったものを発表する場としては「MashupBattle」というプレゼン予選があります。
今回ハッカソンで作られた作品も参加可能なので、是非プレゼン予選にも参加いただければと思います。
MashupAwardsの楽しみは、このプレゼン予選である「MashupBattle」にあると思っています。一番楽しいのは準決勝である「2ndSTAGE」ですが、2ndSTAGEは勝ち上がらないと参加することができません。1stSTAGEは応募さえすれば誰でも参加できるので、チャレンジしにきてください。
(※但し先着順なため、応募はお早めに!)
Twitterのつぶやきまとめと、写真をみていただくと、イベントの盛り上がりや雰囲気がより伝わるかと思います!
・つぶやきまとめ http://togetter.com/li/1042838
・イベント写真 https://www.flickr.com/photos/100125183@N08/albums/72157674472049191
また、アプレッソのつっきーがブログ書いてくれました!ハッカソンに参加することの楽しさをめいっぱい伝えてくれています。
最年少 DataSpider 技術者の誕生!(前編)/Appresso Engineer Blog
最年少 DataSpider 技術者の誕生!(後編)/Appresso Engineer Blog
 
みなさま、お疲れ様でした!またプレゼン予選で会えるのを楽しみにしています。

最後に撮った自己否定ポーズ版も!

今回のハッカソン開催にご協力いただいた、名古屋工業大学の白松先生、Code for Nagoyaの青島さん、宮内さん、ありがとうございました!
 

蛇足

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今回のハッカソンは、作品の完成度という点ではちょっと足りない点は多かったかもしれませんが、新しい技術をいろいろとチャレンジし、「作りたいものを作ったった!」感あふれるプレゼンは、MashupAwardsらしくてとても好きでした。
MashupAwardsは「コンテスト」なので勝敗がついてしまいます。でも、それが全てだと思いません。「ちょっと新しいAPI使ってみた」という作品も大歓迎です。
そういった作品でも、おもいかけず企業賞をとり、企業の方と仲良くなるきっかけになるかもしれません。そしてそのきかっけが、更に違う何かを連れてくる可能性もあります。
MashupAwardsは最優秀賞を狙う以外にも、企業賞を狙うという楽しみ方もあります。
また、特にハッカソンは、ハッカソンで勝てなかったとしても、他の道でコンテストを勝ち上がっていき、敗者復活することも可能です。
だからこそ、ハッカソンではどんどん新しい技術にチャレンジし、審査員の方に様々な意見をもらえたほうがいろんな可能性が見えるのではないか?とさえ思います。
個人的には、ハッカソンで作られた作品が、プレゼン予選の度に進化していく過程を見るのがとても楽しみなんです。今回のハッカソンで作られた作品も、この場で終わるのではなく、プレゼン予選に向けてブラッシュアップしていってほしいです!
 

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